その日から毎日、おくめは鬼子母神堂にお参りするようになりました。
参道入口の百度石とお堂との間を、一日に百回往復しながら、
おくめはひたすら、お母さんの病気がよくなるようにと
祈りつづけました。
雨の日も、
風の日も、
おくめのお参りは続きました。
それから、ちょうど百日目。
空は高く、はだざむい風も吹き始め、
季節はいつしか秋になっていました。
連日のお参りで、まめだらけになった足を引きずりながら、
おくめはその日も百度のお参りを終えました。